2024/04/19 09:55
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ジョンミューアトレイルは、アメリカ・カリフォルニア州のシエラネバダ山脈を南北に縦断するトレイルです。
北はヨセミテ国立公園からスタートし、そこから約340km南下したMt.Whitneyの頂上がゴール。私たちは5年前にこの道を25日間かけて歩きました。
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トレイルの名前の由来となったジョンミューア氏は自然保護の父、国立公園の父と呼ばれ、アメリカの国立公園の礎を築いた人です。彼の功績を称え、このトレイルには彼の名前がつけられました。
自然保護とはなんでしょう。
私たちは子供の頃から「自然を大切に」と教えられて育ってきました。
野生動物も自然の一部です。野生動物がのびのびと暮らせる環境こそが、豊かな大自然と言えるでしょう。
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ジョンミューアはヨセミテを開発から守るために、自然の大切さを世に訴え続けました。彼のおかげで自然保護を第一に掲げたヨセミテ国立公園が生まれました。1890年のことです。日本で初めて選挙が行われた年です。
ヨセミテ国立公園から始まるジョンミューアトレイルは、全域が熊の生息地。
公園を管理するレンジャーは、食料やごみの管理を徹底するよう、利用者に呼びかけています。
熊から身を守るためだけではなく、熊を殺さないため。
自然の中に人間が入って行くこと、それがどんなことなのかをこのレギュレーションで叩き込まれます。
私たちが間違えば、私たちにも熊にも不幸な結果が待っています。
玄関口であるヨセミテビレッジでは、車の中にも決して食料を置くなと厳しく指導されます。
キャンプ場にもフードロッカーが設置され、キャンプ客は食料をその中に入れます。
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バックカントリーに入る時は、ベアキャニスターと呼ばれる熊に開けることの出来ない食料用キャニスターを持たないと入山できません。さらに、許可証制度を設け、一日に入山できる人数をコントロールしています。
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テントの中にも決してにおいのするものを置きません。テントと食事をする場所は離します。ベアキャニスターは、テントから離れた場所に置いて就寝します。
毎朝テントの中で目を覚まして、ベアキャニスターを確認しに行き、ホッとするのです。それがジョンミューアトレイルでの日常です。
アメリカの国立公園では、熊を管理というよりも、人間を教育して熊との事故を防いでいます。
人が出したごみが熊を引き寄せ、人と鉢合わせ、その結果熊が殺される。そんな悲しいことを引き起こさないために、彼らの領域に入る時は、人間が気をつけないといけないのです。
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北海道でも熊は山にいるものです。
私たちが山で熊に出会わないのは、彼らが人間よりも非常に優れた嗅覚を持っていて、人間を避けてくれているからに他なりません。
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山や川などの自然環境に入る時は、常にそんな意識を持って行動したいです。
私たちはかつて彼らから取り上げた場所に住み、時折、彼らが住んでいる豊かな大自然を覗かせてもらう身分なわけですから。